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スタッフブログ

2022/06/09
勤務地20
投稿者:代表君野

BW工法という技術があります。地中連続壁工法のことで地下室のある工事にはよく

 

採用されて、旧来の山留工事とはやり方の違う革新的な工法です。

 

大阪駅前第2ビルは浪速共同企業体として、規模のよく似た4社のJBで工事が始ま

 

りました。若い社員は研修でこの第2ビルを見学する機会があったのです。

 

その時マイクを握り、最先端の技術を説明してくれたのは竹口さんでした。

 

背は180センチはあろうかという長身で、かっこいいのでした。

 

会社を代表するような工事で、大阪駅前の一等地での工事です。しかも地下4階まで

 

あるような大きな工事に携わることは、若い社員の憧れでもありました。

 

その竹口さん、大正の現場では鉄骨の担当でした。

 

鉄骨建て方は基礎が出来次第建て方を始めることが出来ます。重量建築で最も花形

 

工事なのですが、時に危険を伴うことも多く、気持ちの緩みは絶対にあってはなら

 

ないのでした。

 

職人も社員もそれにクレーンオペレーターも、強い緊張感の漂う中で作業が始まる

 

のでした。この重たい鉄骨を組みあげる職人は、鉄骨鳶という職種の人になります。

 

何もない所に命綱一つで柱のてっぺんに登り、梁を次々と渡していくのでした。

 

この鉄骨の柱、梁が組まれると、命綱の親ロープ、落下防止網が全面に張られて、

 

安全が確保されるのでした。

 

このことで安全な作業環境が整備されて、後続の型枠、鉄筋、圧接等の職人は安心

 

して仕事ができるのでした。さてここで何か気が付く人はいませんか。

 

鉄骨鳶は「俺たちの安全はどこにある?」ということを思っています。

 

柱に命綱用親ロープがあるのか。落下防止網を張るための作業に落下防止網は

 

有るのか、ということですね。実際の鉄骨鳶はそんなことは言いませんが、

 

思ってはいます。しかし誰かがこの作業をしなければ、現場が進まないことは

 

分かっています。

 

狭い鉄骨の上を歩くことは身震いがして、誰も最初からうまく行きません。

 

それ故危険作業と背中合わせの仕事をする鉄骨鳶さんは、大げさに言えば

 

堅気の人間とはちょっと訳が違います。

 

ある時棒心は声を荒げて竹口さんと話をしています。詳しくは分かりませんが、

 

何か不備があったらしい様子です。紳士的な彼は声を荒げることはありません

 

でしたが、現場では職人を上手く使うという課題も一方ではあったのでした。

 

(竹口さんが職人の扱いが下手であるということではありません)

 

会社を表する大型物件を担当することの多かった竹口さんでしたが、若くして

 

家族を残して逝ってしまったと聞いたときは、言葉もありませんでした。

 

鉄骨建て方を一緒にやっていると、一本の柱がどうしても建ちが直りません。

 

「どうしたんだ、何がおかしいんだ」と言いながら上に行ったり、テープを張ったり

 

してやっと原因を掴めたことが懐かしい。

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