2022/08/22狭い魅力3
小さな敷地(20坪前後で容積率80%)に住まいを建てる時に常識的な考え方では
うまく行きません。今の住宅の大きさを統計に取ると、都市部、地方合わせた平均が
33坪位と言われています。
最近は住まいがコンパクトになり30坪を切るような家もありますが、それでも20坪
後半までになります。
冒頭の家はかなり特殊であり、入居する対象者も夫婦か子供一人になるでしょうか。
狭さを解決する一つの手法として屋根裏部屋や中二階の空間を作ることで、何とか機能
するようにと考えたのです。平均的な家では決してないのですが、知恵を出すことで
クオリティを確保するようにしています。
このような土地は小さいが故に経済的な家造りが出来て、マイホームをあきらめて
いた人にとっては朗報であり、夢がかなう事でもあります。
そのためには全体的に建築の手法を見直して、小さな床面積でも満足する方法を見つけ出さ
ないといけないです。
収納は先程言いました中二階や小屋裏空間を活用することは効果的なやり方です。
それ以外にもっと工夫しないとうまく収まりがつきませんので、何かまだ必要です。
考えられるのは住宅設備のことです。標準品と言われる物は大多数の人が希望する製品
でもっともボリュームゾーン帯の商品です。
しかし一回り小さくした商品は探せばあるものです。ユニットバスを例に挙げると四分の
三坪商品と言うものがあります。やや小振りですが充分に機能しています。
ここで浮いた40センチの空間は貴重なものになり、他の所で活きて来ます。
更にキッチンも標準品ではなく数十センチ短いものが備えてあり、コンパクトな住まいに
はよく釣り合いが取れます。
そしてこれは日常的にはあまりお勧めしませんが、モジュールを変えるやり方があります。
住まいは綺麗なモジュールに納まるのが理想ですが、そんな理想は一旦置いて、限られた
空間内で家をプランするという事を優先して考えると、色々な考えが浮かぶものです。
土地は広げることが出来ないという現実を直視すると、見えてくることがありますね。