2022/09/23地域性
地域による違いは言葉だけではありません。
例えばエスカレーターに載って立つ位置を皆さんはどちら側に取るでしょうか。
これはよく知られたことで、右に立つのは関西人左に立つのは関東人です。
左にバッグを持ち右手で手すりを掴むのが自然なのですが、東京に行くと反対に立ち
ますので勝手が悪いのです。
また外食でお盆に配膳された食事も気になります。仲居さんがきれいによそってくれた
お盆なのですが、箸をつける前に必ず配置換えをしています。お味噌汁のお椀の位置が
非常に持ち辛い所にあるのです。右に置かれると左手を大きく右に回さなければお椀を
掴めないのです。どうしてこのような配膳になるのか不思議ですね。
関西圏で生活習慣のある人は、右にお味噌汁が配膳されたら、一様に左に移してから
食事をするのです。そうしないと美味しく食事が出来ないのです。
ちなみに今度そのような仕草をする人がいましたら、是非チャンスを見てそっと訊ねて
みてください。どちらの方ですかと。すると間違いなく関西人、あるいは関西育ちです
と言うと思います。
このことを家族と食事に出かけたときに話すと、不思議な顔をします。マナー違反のよう
に言いますが、これは慣れ親しんだ習性であり私から見ると合理的なことです。
またこんな言い方を時々聞くことはありませんか。「さすが商売人やで」と。
あるいは関東では「さすが商売人だわ」と。同じ言葉ですが意味合いは違ってきます。
人をどのように見ているかなのですが、商売人に対して敬意を示しているのか、あるいは
少々の侮蔑を含んで言っているのかの違いがあります。
「さすが商売人やで」と言うときは完全に誉め言葉になります。ちゃんと約束を守り、
曖昧さがなくお客様の期待に応えていい品物を納品し、信頼出来る人のことを言います。
一方「さすが商売人だわ」はどこか毒気を含んでいます。商売人に対してどこか
信用性が今一つと思っているか、商売そのものに対してあまりいい印象を持っていない時に
言われる言葉です。これは良い悪いを言っているのではなく、地域によって違いがあること
を言っています。