2022/10/11何かが見えるか
台風の季節が過ぎ去ろうとしています。
二百十日は台風のよく来襲する日のことを言い、今でいうと9月初めのことになります。
台風は怖い思いをしてきましたので、丈夫な家に住みたいという気持ちが小さな頃から
ありました。
また農家の人の苦労も間近に見てきて、百姓さんは本当に辛抱強い人たちだと思い知る
のでした。台風の影響で実りを迎えた田んぼの稲が根っこから倒れると稲刈りは大変です。
一株ずつ起こしながら鎌で刈り取る作業になります。また塩気を含んだ台風がやってくると、
作物は塩害にあって出荷できない程痛めつけられてしまいます。
自然のままに、そこからまた手を入れ、作物を植え替える姿には感服するのです。
話は飛びますが、青森県はリンゴの一大産地であることは皆さん知っています。
そこの農家さんの話をしたいと思います。
収穫時期の今頃猛烈な台風がやってきて、リンゴ農家の皆さんは壊滅的な被害にあったの
です。風速53.9メートルだったといいますから、東北の人は今まで経験したことの
ないことです。
するとリンゴのほとんどが地面に落ちてしまったのでした。農家さんはその被害の大きさ
に落胆して離農した人もいたといいます。
ところが僅かではありますが、枝に残ったままのリンゴがあったのでした。
それを見たある人に何かが閃いたのです。起きた現実は仕方のないことではありました。
悲惨な状態に打ちひしがれてはいましたが、何とか前を向かなければという思いがあった
のでしょう。
そしてそのリンゴは「落ちないリンゴ」として受験生や親御さんに向けて売りに出された
のでした。そのことは大きな反響を呼び、全国に「落ちないリンゴ」は知られるようになった
のです。なんというアイデアでしょうか。
まさに窮地から立ち上がり起死回生の出来事となったのでした。
ここに人間の発想の素晴らしさと、視点を変えてみることの大切さを見るのでした。
私たちがそれぞれ生きる世界も日々進歩し続けています。
今ある商品もいつ流行廃りの波に飲み込まれるかわかりませんね。柔軟な頭と行動だけは
持っていたいです。