2022/10/14環境は良くなってきた
先日1級建築士の学科試験の合格発表がありました。
30,007人が受験して6,289人が合格しました。そして設計製図試験の
2次試験迄合格して初めて1級建築士となるわけですが、例年3,000人程度
に絞られますので合格率は10%程度で推移します。
今は受験制度が変わってきまして、実務経験年数の資格要件は後から積むことが
可能になりました。出来るだけ若いうちに学科試験に合格することが肝要です。
といいますのも経験を積み会社の中堅になると、それなりに責任のある立場になり、
仕事の比重は大きいものになります。
次第に仕事中心の生活になってきて、試験勉強どころではなくなることがあります。
会社もそれを期待していますので、応えないといけない立場でもあります。
でも本当は試験に打ち込みたいのです。
それは工期の無い厳しい現場、設計事務所では納期の迫ったものや2つ3つと同時
進行的に進めなければならない設計案件を抱えて、深夜まで働き続けることが
あったのでした。能力もあり優秀な社員さんが、仕事に追われて試験を受けられ
ないという悲しくなるような現実はその昔よくあることでした。
今はそこまでないにしても、建築業界に特有の働き方は皆さんによく知られるように
なり、このままでは優秀な人材が建築業界にやってこなくなるという危機感が
あったのでした。
それで若いうちに資格を取得できるようにして、少しでも食い止めたいという
ことが本音のところです。この業界は受注産業故に計画的なモノづくりが出来ません。
また専門業者との連携無くして成り立つ産業でもありませんね。
厳しい局面で働かなくてはならない事情もままおきます。
建築が好きで天職と思ってやっている人は多くいます。好きな人に任せておけばいい
というものでもないですね。