2022/10/27残るもの
エピソードや私事の入った文章や演説は印象が強く、記憶に鮮明に残ることを改めて
思いました。そして二人の元総理大臣の弔辞や追悼文を同時期に聞くことが出来るとは
思ってもいませんでした。
言うまでもなく故安倍総理大臣の葬儀や追悼の際読み上げられたものです。
言葉を何より大切にする国会議員、元総理大臣の演説は格調高く真実に溢れ、しかも
ありありと情景を甦らせてくれるのでした。まさに名文中の名文でしたね。
何がよくてそのように印象に残り記憶にとどまる文章になるのでしょうか。
菅元総理大臣、野田元総理大臣の話された事を改めてじっくりと読み返してみました。
お二人とも安倍総理大臣と特別な関係があったことは、随所にちりばめられていてよく
分かります。
それも当人同士しか知らないことを述べている辺りから興味をそそり、ぐいぐいと引き
込まれていく思いがするのでした。
何れも国民の高い評判の演説であったことが知られています。どのようなストーリーを
描きどのような言葉を紡げばいいのか、相当のプレッシャーがあったことを正直に野田
元総理は話していました。おそらく推敲に推敲を重ね、一言一句繰り返し繰り返し読み
込み磨き上げたのだと思います。
誰かが勝手な思い込みで敵意にも感じることを言って大きなひんしゅくを買いました。
それ自体不遜なことではあります。私には借り物の臭いも、誰かが創作したようにも
感じる所は何一つもありませんでした。
そこには他人が入る余地はなく、二人しか知らない極めてプライベートな出来事に溢れて
いたからです。更に野田さんが自分と安部さんを比較するくだりは、真剣で勝負する凄みすら
感じます。
力の宿った文章、演説はそう聞けるものではありませんが、今回は魂を揺さぶられる思いが
しております。みなさんも全文を印刷して読み返してみませんか。
きっと国会討論以上に価値のある文章だと思うはずです。同時にこの様ないつまでも記憶に
残る文章を書けるようになりたいと思うのです。