2022/12/02前へ進んで
田舎の実家が急速に傷んできて、このままだと朽ち果てようとしています。
父が亡くなって22年、母も12年経ってしまいました。空き家の状態が
長く続いたことで一層進んだのでした。
それで残念ですが、この辺で見切りをつけて解体をしようと思う。
農家との兼業だったので、農具や民具が多くて廃棄処分するには結構な時間と
労力がかかりました。
軽トラックで7台分の処分をするも、まだ後数台分は残っています。一番嵩んだの
は布団類の寝具です。年に数日ですが私達家族が寝泊まり出来るようにと、父母が
揃えてくれていたものです。まだ新しい物もありましたが、いちいち気に掛けると
留まってしまいそうで、エイヤーで積み込んだのでした。
そのほか味噌造りのためのバラや杉樽、醤油を作る瓶、漬物樽や重石、更にカマドに
大鍋に羽釜迄とってあって、田舎の農家風情が一気によみがえったのでした。
正月用につく餅付きの杵は3本も出てきて、まだ現役で使えそうな様子です。
会社でも時々餅つき大会をやることがあって、臼はこちらに持ってきました。
思えば何もかも自前で作り、自給自足の生活を営んでいたのでした。戦後から
急速に近代化されたのですが、私たちが子供の頃は大昔の生活様式はまだ残って
いて記憶にあるのです。
それからまだ農具が残っていました。牛に引かせて田んぼや畑を耕す鋤、馬鍬、
唐箕はすっかり古びてもう使い物にはなりません。確かに現役で活躍する農具と
大人の様子は鮮明に記憶に残っています。
一日一日過ごす毎日はそう変るものではありません。ですがこうして積み重ねて
何十年も経てくると、確かに大きく変わった今日があります。
昔のことを知っていて、現代の生活様式の恩恵も受けられる私達は良い世代だと思えて
きました。