2022/12/07一辺倒でない
住いを設計する建築家は自称を含めて沢山いますが、中でも伊礼智さんはよく知られた方
です。鹿児島にもよく来られて、地元の工務店とのコラボで家造りをされています。
その伊礼さんが先日言っていたことがあります。
性能一辺倒で住まいを考えているクライアントさんがいました。ところがどのような心境の
変化があったのか知りませんが、断熱値と構造強度を指示したら、後は伊礼さんに任せると
言ってきたといいます。
建築家にとってはデザインこそが自分たちの最も得意なことであり、また求められる人材と
して自負するところであります。
その言葉を聞いて、俄然やる気が湧いてきたと言います。
確かに最近の家造りでは、性能を重視する人も増えてきて、私達も改めて勉強をする機会を
持つこともしばしばです。やはり情報にすぐアクセスできる最近のパソコン環境の
おかげでしょうか。ただしその取扱いや良質なものか否かを判断する力量も同時に試される
ことにはなります。やはりここは最終的に専門家や詳しい人に相談することで、その意味や
目的を確認することが正しい行動だと考えます。
先日来場いただいたお客様は勉強熱心で、知識を相当学んだ様子がうかがえました。
そして驚いたことに、コンクリートの強度を27ニュートン/㎟で打って下さいと言います。
通常は21Nかもしくは24Nで充分なコンクリートの強度が出るのですが、ここに相当の
こだわりを持っているのでした。
とうとうこのような時代になってきたのかと、驚きとも感嘆とも付かない気持ちがしたの
です。さて建築の性能は多岐にわたり、お客様の大事にしたいあるいはこれだけは外せない、
という要望も多様です。耐震性、似たような意味の耐久性、省エネ性、バリアフリー、維持
メンテナンス対策等があり、更に細かに規定が決められておりますので、興味のある方は
調べてみてください。
性能はとても大事な家造りの要素なのですが、それだけではありませんね。
それに加えて人が安心して過ごせる室内の空気環境。シックハウスの無い人にやさしい家。
火災時の有毒ガスの発生しない家。
これらは書かれてはいませんが、外すことのできない家造りの性能ですね。