2020/11/19木材の乾燥4
木材を乾燥することは、家を丈夫に狂いが少なく品質の良いものにするため
と言っていいです。ただしその乾燥の仕方には十分に気をつけなければなりませんね。
ですが家を造るエンドユーザーが木材の乾燥の仕方なんて知る人がいるでしょうか。
もし知っているとしたら余程マニアックな方ではないでしょうか。
その木材の乾燥の仕方ですが大きく分けて二つあります。
一つは自然乾燥、もう一つは人工乾燥というやり方です。
自然乾燥は山で切り出した木材を、長いこと時間をかけて自然に乾燥させるものです。
かたや人工乾燥は大きな窯の中に木材を入れ込み、100度以上の熱風と蒸気の嵐を
浴びせて乾燥させやり方です。乾燥期間は5日間ほどで上がってきますので、大変コスト的に
助かります。実はこの人工乾燥の仕方が今大きな問題を抱えています。
あまり一般の人には知られていないことがむしろ問題なのですが。何といっても
木の持つ油分や色艶、エキスが乾燥とともに飛んでしまうのです。
木の持ついい香りもほとんどしなくなりますし、木の優しい肌さわりも失われ、
しっとりとした潤いの無いものになってしまいます。もし機会がありましたら是非手を
木材に触れてみてください。その違いにすぐ気付くことでしょう。私たちはこのような木を
「ミイラの木」と呼んでいます。さらに100度以上の高温乾燥機の中で、木材の持つ
瑞々しい細胞は破壊され尽してしまいます。
その結果どうでしょうか、木の持つ数々の特徴は無くなり、くすぶった色をした木
はもはや木とは呼べません。悪いことに人工乾燥された木は、白アリが好むものに
変わりますのでこちらも心配です。