2020/12/09遮熱と断熱
どちらも熱のことに関係する言葉ではありますがどのような違いが
この二つにあるのでしょうか。
会社では遮熱も断熱も両方工事して家を造っていますので、良さと機能は体験上
知っています。
遮熱のイメージはホームセンターで売っているものを、車のフロント部分に立てかけたり、
床に敷いて使えば実感できますので知っていることと思います。
TVでも良く見るのは、宇宙服や宇宙空間を飛び回るロケットにもきらきらとした
ものが見えますが、アルミの遮熱材を装着しています。
ところで建築では遮熱の考え方は今も概念として日本にはありません。
「断熱のきいた家だな」とは言いますが、遮熱がいいとは言いませんね。
遮熱は簡単に言うと輻射熱を遮るということです。
伝導、対流、輻射が3つの熱の伝わり方でしたね。
そのうちの輻射熱を通さないようにすることが遮熱と理解してください。
遮熱はアルミ箔のシートを屋根に敷くことで99パーセント以上をカットできるといいます。
ただ亜流品やアルミ蒸着品ではそのような効果は期待できません。
純正のアルミ箔を張り付けたものを使うことでより効果的な働きをするのです。
一方断熱は文字通り熱の伝わりを断つということです。伝導する熱を防ぐため出来るだけ
厚く敷く、吹き付ける、貼る等をしなければなりません。
グラスウールや羊毛、ロックウール、発砲ウレタンなどがそうです。
屋根からの熱量は80パーセント近くを占めると言いますから、今屋根全体にアルミ箔
遮熱材を敷き詰めているところです。
大工さんが夏の暑いときに「この家は暑さを感じないね」とよく言われるように、
作業している職人には遮熱のありがたさがよく分かるようです。
アメリカでは遮熱は常識的なことですが、残念ながら日本では役所が積極的に評価して
くれません。
草の根から評判を重ねて、役所に風穴を開けるしかないのが現状です。
熱のこをよく知っている方は断熱材をこう言います。「熱伝導遅延材」と。
室内に到達する熱を出来るだけ遅くすることで効果を出そうとするのです。
ですから厚くするほど効果的で性能が出ることになります。
ただ良いことばかりではなくその弊害もまたありまして、厚くすれば蓄積された熱が
いつまでも室内に放射されるという負の面もあります。