2021/01/20建物を小さく見せない
小さな家なのに小さく見えない。そんな家が出来たら家主様も
喜ぶに違いありませんね。前のことですが会社の近くに寿司屋がありました。
残念ながらその土地を売ってしまい、今はもうありません。
土地を買った人が新しく家を造り事業をしていますが、通りからは大きな
店構えになっています。
その土地は駅近くにあり値段も結構する所です。
寿司屋をやっていたころは、敷地一杯に間口を構えた家でしたが、それほど大きな
家には見えませんでした。家を解体すると土地はなおさら小さく見えるものです。
この土地にどのような家が出来るのか興味は尽きませんでした。
やがて家が出来てオープンした店を見ると驚きました。
黒色のガルバリウムの家が建ち、長いアプローチを上手に生かして、家のスケールが
以前とは全く違います。どこにどんな工夫を凝らしてそのような家造りがなされたのか。
同じ敷地であっても、家が大きいと格のある上質な感じがします
よく眺めてみると気づくことがいくつかあります。
家の外壁を出来るだけ長く見せていることでした。
実際の家の外壁にプラスして斜めに壁を作り、道路近くまで伸ばしているのです。
家の正面の壁だけでは小さくてこじんまりとした家になります。
実際は必要のない外壁ですが、あえて入れていたのです。
それと斜辺を上手に使い、アプローチを曲がって玄関にたどり着くようにしてあるのです。
平面的にも長い距離をとることで、奥行きのある感じを演出していたのです。
うまいことファサード(正面の外観)を決めたなと感心しきりです。