2021/02/03外材の活用
木造の家(木造軸組み)はその主要構造材(柱、梁、土台、母屋、間柱、筋違い等)を
木材で賄うことになります。(当然ですが)
殊更に取り上げたのは、家を造るときに気を付けて欲しいことがあるからです。
その前に日本の木材が奮わないのは・・・。
一つには外国産材に押されていることがあります。
統計(日本住宅・木材技術センター)では69%が外材、国産材は31パーセントと
と予想以上に国産材は少なく、長年にわたりこのような傾向が続きます。
最近でこそバイオ燃料やCLT(接着集成材)に利用していますが、消費される木材は
全体からするとわずかなものにとどまっているのです。
私たちが理想とする住まいは、地元の木材を、それだけではなく生きている木材を使う
ことです。外材を使って家を造ろうなどとは考えてもいません。外材は使用上懸念される
ことがいくつかあるからです。
それは気候風土の違うところで育った木であるということですね。
現在は北欧、北米材が主流となっていますが、いづれも寒冷地になります。
日本、なかんずく鹿児島は高温多湿の気候で、夏は蒸し暑く、冬は雪の降ることもあります。
そしてここは是非覚えてほしいのですが、木はその地域の気候に順応して成長を遂げるという
ことです。気温や湿度、雨天や乾燥、湿潤の自然条件を受けながら木材は育つのです。
北欧は寒さが厳しいのは勿論ですが、夏の湿度はそれほど高くありません。
カラッとしていてしのぎやすく、蒸し暑さを感じることはまずありませんね。
このような環境で大きく育った材木を日本に入れても、木本来の働きをすることは
ありません。夏場の湿気を木が吸湿してくれること、冬の乾燥期には木に蓄えた湿気を
放出することもかないません。
家は地元の木を使って建ててこそ、木の良さが発揮されるのです。
もうひとつの懸念は、健康状態を左右することにもなりかねない問題を含んでいるからです。
木材は防疫上の点から、どこかの地点(外国か日本の港)で薬品による害虫の駆除対策が
なされているということです。外材を鼻に当てて嗅いでみてください。刺激のある臭いを
感じてしまいます。よくよく考えて外材は使わないといけませんね。