2021/04/06お日様の向き
昨日は「お日様はいつも家造りの中心テーマです」と言いました。
住まいに太陽の日差しが当たることは、当たり前のように思っていますが
決してそうではありません。家造りの向きだったり、敷地での配置が相当に関係して
いますのでよく考えて造ることが必要です。
うちで建てた家ではないのですが、子供がお世話になった学校の校長先生宅をリフォーム
することになりました。敷地は結構広いのですが、南を向いている方向は敷地の角に
なっていました。ですので敷地の2辺の向きは南東と南西ということになります。
この時どちらを南面に見立てて、家を計画するのが正解でしょうか。(より良いでしょうか)
このシチュエーションは専門家でも迷うことが多いですね。
それによって後々暮らす人にとって暮らしやすい家なのか、あるいは不満を言いたく
なるのかに分かれるからです。
校長先生はどちらかというと不満に思っていました。
ベランダの改造工事をお願いされたのでしたが、「朝日が差すのが遅くて、
昼前にならないとリビングに陽が差さない」ということです。
当然そうなりますね。先生は南西に対してリビングや和室の部屋を配置して
家を造ったのでした。棟梁大工さんの考え方に従っての事でしたが。
待ち遠しほど日差しがやってこないので、冬は寒くていつまでも暖房を焚かなくては
ならないと言います。
何とか改善できないかと問われますが、「壊して建て替える事しか方法はありません」
としか言いようがありませんね。
それでは南東に向けて家を計画したとしたらどうでしょうか。これだと朝日が
早朝から当たり、気持ちのいい一日がスタートできそうです。朝日を浴びるのは健康に
良いといわれますからね。今更どうにもなりませんが、これだと先生の不満はそれほどでも
無いかもしれませんね。
それ以来うちの家造りは決め事として、敷地が南に正対していない時、
朝日を早く迎える方角に向けて、リビングや和室等の主要な部屋を配置しています。
その方が喜ばれる方が多いからです。どちらにしてもお客様には長所、短所を具体的に
説明することでプランを決めるべきですね。