2021/06/01思いがあるか
私たちが物を買うときは、必要に迫られてのことが多いですが、そればかり
ではありませんね。触発されたり、その場の勢いでいつの間にか購入している事が
あります。先日仕事で霧島まで行きましたが、測量を終わり帰る時は地元のお酒を
買って帰ろうと決めていました。その酒は焼酎の「心」という銘柄です。隼人町限定
商品で広く出回っている訳ではありませんので、知らない人もいると思います。
何年か前に貰って飲み始めてから、すっかりファンになっています。
呑みやすくやや甘口ですが、口当たりがいいので私には合っています。その日も「心」
を2本買って帰ろうとしていました。番台の所にいた女店主と思われる方は、最初
物静かな様子でした。店内の陳列された焼酎をあれこれ見て回り、買いあぐねていると
おもむろに声をかけてきました。「その焼酎は10年蔵出しで、味わいのいい焼酎ですよ」
と。包装のデザインにも惹かれましたが、蔵で10年寝かせていたと聞くと、いいものに
違いないと思いましたね。「地元の酒屋さんが心と手を砕いて作り、ゆっくりと
寝かせたもので、希少な焼酎なんです」と焼酎のうんちくを語り始めたのです。
「焼酎には糖分がありません、酒と違い糖尿病の心配がなく、安心して飲めるんですよ」
と言い「焼酎のあてには、甘い物が相性がいいので食べながら飲んでみると
おいしいですよ」と話し、いつの間にか聞き入っていました。
幻の焼酎「森伊蔵」や「魔王」の値段は、なぜプレミアムが付くのか、その販売戦略の話は
は興味深いものでした。物が売れるということは、何か特別感や、価値感、希少感を
お客様が覚えた瞬間に手にしているものですね。
品物のうんちくや誕生秘話を聞くと、買わずにはいられませんね。
それから伝える人のことを「この人は詳しいプロの人だ」とお客様が思ってくれることも
大事なことです。結局店を出る時には、名酒を3本手にしていました。