2021/08/19同じ木造でも
同じ木造軸組み工法の家でも、仕上がりが違えば全く違う印象を受けるので
家を造る人には各自の趣味や嗜好を聞いてから造ることにしています。
和風か洋風かというと、主に外観のイメージを指していますが、楽しい家で
お聞きするのは、室内の壁や天井の表面をどのように仕上げるかというものです。
専門的な言葉で言うと、「真壁」と「大壁」という仕上げの手法がありまして、
どちらかの選択をしてもらっています。初めて聞く方も多いので、真壁と大壁の
違いや特徴を説明するようにしています。ですが言葉だけの説明では理解し辛いので、
画像や過去の建築実例集を見てもらうと大体分かっていただけます。
「これが良いです。これが私たちの造りたい家です」と言ってもらえばもう決まり
ですね。真壁は柱や梁が表に見える造り方で、最も和風らしい典型と言えます。
どっしりとした太い4寸柱が立ち、大小の梁が組み合いながら柱に支えられる
構造美は、どの工法にもない力強いものです。一方大壁はその呼び方から想像で
きるように、柱は隠すやり方です。一面が壁となって開口部以外には何もありません
のでシンプルで良いという人もいます。そして最近の家造りの傾向は、この大壁工法
を選択する方が増えてきました。
シンプルでモダーンな風情を味わえる。柱や梁の木は見えませんので、うるさい印象が
ない等の理由だと思います。インスタグラムを見て物を買ったり決めたりする人達です。
感性がとても良い世代の人達の家は、個性にあふれたものになってきました。