2021/09/11生き続ける木
海釣りに自分から行こうとはなかなか思いません。
それでも若い頃は鳴門の渦潮のあたりまで出掛けて、船釣りをしたこともあります。
釣りたての魚をその場でさばき、食べるのは釣り人ならではの特権ですね。久しぶりに
掛かってきた級友からの電話は、釣りに行かないかというものでした。アジのサビキ釣り
に谷山港に良く行くらしい。私の分まで竿と餌の準備をしてくれて、早朝から一緒に出掛
けてきました。早朝の3時間位が釣れる時間帯と聞いていましたが、時間が過ぎるとぱったり
と釣れなくなりました。バケツ一杯の豆アジの釣果は、フライにして美味しくいただき
ました。釣りたての魚の身は、鮮やかなピンク色で見るからに新鮮です。食べ物や生命のある
物は、一目見て粋の良さが分かるものですね。その粋の良さは言うまでもなく、色味の帯び方
の事を指しています。魚の事だけでなく、私たちが手にする杉の柱や梁、床板は生命の宿る樹
木が使われます。木は切り倒されてもなお細胞は生き続けています。
その事は家に住んでみて分かるのですが、四季の変化に順応して、木は湿気を吸ったり吐き
出したりしています。生きている木ならではの働きであり見事なものです。カンナ掛けされた
木は、瑞々しい色味があり、艶を帯びています。触るとしっとりとした感触がありますので
よく分かります。樹木は自然の温湿度環境の中で、じっくりと乾燥させることで、木の持つ
素晴らしい効能が得られるのです。木の事をもっともっと知ってほしいですね。