2021/10/21頼りになる
家族構成の変化に伴って家を増築したり、2階を上げたりすることがあります。
2階を上げるというのは、1階の上に2階を増築することです。
多くはありませんがごく稀にあることです。予算の都合だったり、必要性が無い
と大きな家は要りませんね。何を隠そう楽しい家の事務所も2階を上げられる
ように、骨組みは組まれています。ただその必要性が無いだけで、今迄そのまま
に使い続けています。
この様な増築は木造に特有の長所であって、ほかの構造では聞いたことがありま
せんね。2×4、鉄骨造、RC造(ラーメンコンクリート構造)と家造りの構造は
幾つかありますが、決まって増築は木造ですることになります。構造的に木造軸組
は、自立して考えることが出来る構造です。柱を建てて梁を渡し、既存の家に頼ら
ないことでそれが可能になるのです。その場合大工さんの器量がとてもモノを言い
ます。プレカットされた時代に修業した大工さんは、墨付け、刻みという伝統
の技を使いこなすには限界があります。ですので増築の仕事はベテラン大工で、
師匠にみっちり付き従い修業したものでなければ難しいですね。
昔の伝統技術を手に刻み込み、勘が働く人でないといけないということです。
年齢で言うと50歳以上位の人になるでしょうか。最近幾つか増築や改造工事を
していますが頼む大工さんはベテランの方ばかりです。既存の柱に墨を付け、手作業
で梁を刻む大工さんの表情は、これぞ仕事という顔付を見せて自信に満ちています。
時代とともに変わっていくのが仕事のやり方ですが、無くすには勿体ない伝統技術です。