2021/10/23相性がいい
建築工事に鉄筋はなくてはならない建材です。
コンクリーと相性がいいことから、コンクリートの中に埋め込むことで、大きな強度
を発揮出来るのです。素材的に違いが大きいのに相性がいいと言われますが、一体どう
いう事でしょうか。鉄筋は文字の通り鉄で出来ていますので、そのまま何もしなければ
たちまち錆を帯び始めてきます。しかし良い所があって、引っ張り力に対しては無類の
強さがあります。
一方コンクリートは圧縮力には強いが、引っ張り力や曲げにはもろさを持っています。
この違いの大きい建材が相性の良いのには理由があります。
一つには膨張係数が同じだということです。物体は膨張や収縮を繰り返しますが、
この両者は膨張係数が同じ値を持っています。ですので膨張するときも収縮するときも、
同じ量の変形をするということです。
また先ほど言いました強度の特徴は、お互いを補い合う関係性にあります。
単一の材料ではここまでの強い素材となるのは、難しかったと思います。
もう一つ忘れてはならないのは、コンクリートがアルカリ性を帯びていることです。
そのおかげで鉄筋はコンクリート中に打設されても、長く錆びることなく健全な状態を
維持できるのです。そして矛盾するようですが、表面の適度な鉄筋の錆は、コンクリート
の付着力を高める役目がありまして、強度にいい影響をもたらすのでした。
これが奇跡の組み合わせと言われる所以です。
最初は植木職人が花鉢を造る目的で、針金を撒いてセメントで固めようとしたことが
きっかけのようです。