2021/10/31一気呵成6
世の中は急速に週休二日制に向かって行ったのでした。
大企業や上場企業、役所が先行する形ではありましたが。それは通勤電車の乗客が土曜日
になると、年を追うごとに少なくなるので実感として分かるのでした。
そのような時代背景があったのに、なぜ役所工事の発注が無茶なものになったのか?
あまりにも民間に強いているようで、かなり異常な事として所長以下認識していましたね。
それでも現場マンですから、決まったものは仕方がない、与えられた中で何とかしようと
けなげな態度で向き合うのでした。
しかしスタートからダッシュを利かして、そのまま半年以上続けることは、気力も体力も
持たないことは明らかです。土曜はまだしも、日曜日の早朝6時半ごろの阪急電車には、
数少ない人しか乗っていません。日曜日は寮での朝食はありませんので、パンをかじり
ながら暗い道を駅に向かうのでした。
俺たちは人間ではないんだなとつくづく思いましたね。「せめて日曜日くらいは休ませて」
これが掲載されたのは昭和54年10月8日のことです。原稿用紙2枚半のボリュームです。
朝、桜井駅でいつものように朝刊を買い、めくっていると書いたままに載っています。
「新聞社が載せてくれたのか」というのが感想でしたね。
1週間位前に書いて新聞社に送りましたので、こんなに早く取り上げてくれるとは思ってい
ませんでしたね。それを現場迄持って行き所長に見せると、「いいこと書いてくれたな」と
褒めてくれましたね。
世の中週休2日制が広がってきているのに、週に一度も休めないのは、何かが間違っている。
そんな思いは強かったですね。なかんずく旗振り役の役所が、何の問題も無いかのように
して発注するのは、あり得ないと思ったのでした。原稿は思い立ったその晩に書き上げた
もので、思いが募れば書けるもんだと思いましたね。