2021/12/14醍醐味
家造りをしていて何が一番面白いかというと、決められた物がないということでしょうか。
工事が始まると数多くの打ち合わせの機会を作ってもらい、一つ一つ決定していく作業は
まさに作り出す作業と言えます。
今多くの住宅会社は、カタログのページをめくり、自分の好みや感覚の合うものを選び出す
作業になっています。しかしこれが一概に悪いということを言っているのではありません。
会社はそれぞれの持ち味があって、独自のカラーを作り上げていますから、百様あって当たり
前だとは思います。
また住宅メーカーは、現場監督とは別にコーディネーターが付いていて、工事が決定すると
工事着工前に全ての品物を決めてしまいます。普通は一日、掛かっても二日で決めてしまうの
です。サッシュ、外壁、屋根は建物のイメージを決定する大事な要素です。
外部から決める作業にかかり、内部のクロス、建具、家具、照明、住宅設備とあっという間に
決定されていきます。主に女性社員がコーディネーターとして配置されて、見事な立ち回りで
お客様をリードしていきます。全ての品物のカタログとサンプルが用意されて、色合い、
質感、リアルな感覚を感じ取ることが出来るようにしてあります。
家造りの作業が、まるでコンベアーに乗っているかのような感覚を覚えます。そこでは空間
を作る、アイデアを活かす、オリジナルなデザイン性を出すということはかないません。
それが良くてメーカーを選んだ人もいますので、良いとか悪いとかという事ではありません。
翻って楽しい家のやり方はどうなっているのか? 建具、家具、水回り設備、天井のデザイン
まで何か定番の物を決めているわけではありません。一品作として住まいは造ってこそ、
醍醐味を感じ、家族だけが持つことの出来る特色ある住まいになるのです。
ですので打ち合わせのエネルギーは相当なものになります。お客様には負担になりますが、
沢山のプロセスに関わることで満足感は大きいものになると思っています。