2022/01/21引き継がれない
日本の住いは一世代ごとに新築することが当たり前になってきました。
父の造った家を息子は継がず、自分で新築した家に住むのです。欧米の住いは100年
以上(国によって多少違う)は住み続けますので、代々引き継ぐ家も多いと聞きます。
アメリカの家でよく聞くのが、古くなれば資産価値が付いて値上がりするということです。
日本人は本当だろうかと思ってしまいますが、そこには理由があるようです。
折に付けメンテナンスを繰り返し、いつまでも美観を保つ努力を欠かさないのだそうです。
しかも大概の事は自分でやるので、安上がりに出来るのです。
悪い所があればリすぐォームをして、愛着がどんどん湧いてもくるのです。
しかし欧米の家造りと日本では基本的な違いがあって、仕方のない所があります。
一番大きな理由は、生活様式が変ったことがあります。
大人数で茶の間に集い、TVを見ながら食事をしていましたが、今ではテーブルと椅子と
いうスタイルが主流になってきました。また家族が多いので、部屋の数を確保するのに
小さく部屋を区切らなければならない。
当然和室ばかりの部屋が多くなってくるのも仕方がありません。このようなことで
今の生活のスタイルに合わず、取り壊すことが普通になったのでした。
それともう一つは住まいの性能が悪いということがあります。
断熱が利かない隙間だらけの家では、寒くて暑い家となり敬遠されてしまいますね。
更にもう一つは、住宅設備が古すぎて時代に合っていないということです。
トイレ、キッチン、風呂の設備はどうでしょうか。年々新しいものが出てきて、古い
水回り設備では、我慢する気持ちで生活しなければなりませんので、楽しくありません。
日本の家の寿命が短いのは、前述のような事情もあったのでした。