2022/02/04続関門4
失意の状態であくる年がまたやってきたのでした。
過去3回も試験に落ちてはいましたが、諦める気持ちになっていないことは救いでした。
解答書が戻ってきて自分の未熟な所が指摘されれば、対策のしようもありましたが、
国家試験でそのようなことはありませんね。
ただ反省点は自分なりに押さえておかなければと思っていました。振り返ってみて
エスキースは特に悪い所があったようには思えません。図面の描き具合はどうかというと、
全て書き上げて提出しましたので、これも問題なさそうです。
しかし不合格という現実を突きつけられています。
主観的には悪くないのに、どのように総括して再スタートを切ればいいのかが、
分かりませんでしたね。いくら考えても明快な答えは出てきません。
それで自分なりの分析をすると、この試験はたくさんの人を通すような試験
ではない。不運にもババを引いてしまった結果が不合格になった。
当落上にあったのかもしれないが、審査員は私の方をエイヤーでつかんで
しまった。都合の良いこのような考え方で、また学科試験から挑戦を始めた
のでした。折りしも6年勤めた会社を辞めて、大阪で同期入社の先輩が
始めていた会社にお世話になるのでした。ここでは試験対策の時間がよく取れて、
精神的には前の会社より余裕があったのです。
学科試験は2年前に一度合格していますので、同じような要領で試験を受ければ
大丈夫だろうとは思っていました。一次試験を無事に通過して、さあこれからが
本当の試験だぞと、自分を鼓舞して設計製図の試験問題に励んだのです。
設計課題は「集会施設を持つ郷土資料館」です。設計課題には必ずと言っていい程、
大空間の部屋を取るように条件が付きます。
ここでは集会施設がそうです。広い間口、高い天井の集会施設部分は、
他の部屋とは構造の考え方、柱と梁の架構の様子は全然違います。
試験ではこのことを理解した上で構造計画がなされているのか。
柱の太さ、梁のスパンは適切か等を見ています。平面的な部屋の配置や
ゾーニングは勿論大事ですが、設計はそれ以外の構造、非常口、階段の位置、
採光計算等、法規で決められた事を理解できているか、多岐に亘り試される
ことになります。さてこの年の試験のことは、不思議なくらい覚えていません。
学科のことも、設計製図は覚えているのは課題名くらいのものです。
何回も受けてきて、恒例行事のような感覚があって、印象と記憶が薄くなった
のでしょうか。