2018/08/04二つの住まい
行きたかった「「住吉の長屋」にやっと行くことができました。
言わずと知れた名建築家安藤忠雄の作品です。
見た目はコンクリート打ちっ放しというとてもシンプルなもので、
どちらかというと玄人好みの家造りです。
安藤さんの出世作品でもありますが、評判としては
「クライアントの理解がなくしてできなかった家」とまで言われた住まいです。
そのいわれは雨が降ったら傘をさして部屋に移動しなければならないものになっているからです。
家は外壁が相応に傷んでいまして美観的にリフォームする時期に来ているなという思いをしました。
片や大阪都心部にある小西平兵衛邸(高徳寮)は明治初期に建てられた木造建築で、
戦火を逃れてきた大きな商人の家です。
築140年になる古建築ですが触ってみると木の感触は柔らかく、
木目が浮き上がり年月を経た風格を帯びています。
木の年の取り方が分かり味わい深いものがあります。
日本建築は良くも悪しくも「「木との付き合い方になる」と言っても過ぎることはありません。
ですので木の年輪の美しさ、芳香、やさしい色味など数多くある木の良さとともに、
やはり人間と等しく年を経ることにより、枯れていく美というものがあります。
やさしい眼差しで家とともに歳を重ねたいですね。