2022/02/23年中行事
今回も盆前に案内を始めて、秋口からアフターメンテナンスの工事が始まりました。
終わったのは11月の末位だったでしょうか。お客様の都合を聞いて、
こちらの職人の日程を調整していると、それ位はすぐ要してしまうのでした。
案内数も増えてきて、年々大変な思いをしているのではないかと思っているかも
しれませんが、4~5年もすると家が落ち着いてくるのか、それほどでもありません。
基本的に1年に1回毎年行っていますので、不具合があっても「一年点検の日まで待て
ますよ」とOB様には優しい言葉を頂くことも多いのです。
多いのはやはり建具の不具合、ちょっとしたしっくい壁のふくらみ、設備器具の故障等
でしょうか。建具は動くことで役目を果たしていますので、戸車の損耗や金具の緩みが
起きやすい。しっくいは部分的に不具合が起きることがありますが、限定的な範囲に
とどまり生活に支障をきたすことはありません。
このことは家造りの前に説明して皆様に理解してもらっているところです。
接着剤を使うと楽なのですが、発散物の影響がどうしても避けられないことが一番です。
もともと漆喰は、繊維の分子が下地へ足を伸ばし、ボードに入り込むことで密着する原理が
あります。この特性を先人達は知っていて、室内の壁に土蔵にと幅広い所に塗られてきた
のです。自然乾燥された木や漆喰、炭は自然素材ゆえに何の混じり気も化学的処理もされない
無垢の建材です。これらは小さなヒビや局所的な剥がれは稀に起きるのですが、
容易に補修、修復出来るものです。
そしてこのような特徴を合わせ持っているのが自然素材と認識すると、一段といとおしい
ものに思えてきます。
「ちょっとだけ大目に見る」ということが自然素材の家との付き合い方と言えます。