2022/03/21動くもの続1
住いを造って唯一動くものが建具だと言いました。
それだけに故障をしたり重たくなったりしますので、適度なケアの必要はあります。
引き違い戸は日本家屋に昔からあった開閉方式でした。
それが住まいの多様化と洋風文化が流行ってくるにつれて、開き戸や折れ戸のような方式も
住まいに現れたのでした。引き違い戸に比べて開き戸は、回転しながら開くことになります。
それで開く方向にスペースが必要になってくるのですが、引き違い戸にはその必要はないと
いうことです。
狭い中で体が交錯する場所や、戸と戸がぶつかりそうになる所は少なからず出てきます。
そのような所にはお進めの建具と言えます。
人が立ったまま建具を開けられることもいい点です。
ただし開けたけたときに、戸の溜まりのスペースを考えておかなければなりませんね。
3枚の戸が引き込まれるとすると約10センチにもなるスパースを必要とします。
引き違い戸は使い勝手の良い建具なのですが、気を付けたいところが2~3あって
それを説明します。
この戸はどこにでも付けられると言う訳ではなく、条件が揃わないと厳しいということです。
溜まりのスペース部分は当然ですが、戸が引き込まれる分の長さの壁が必要になります。
それとよく建具の構造を見てもらいたいのですが、戸の上下には隙間が空いていませんか。
7mm位ずつ隙間を開けることで、こすったり当たったりすることを防いでいるのです。
ところがこのことが不都合なことを招いてもいます。
戸の上下の隙間から風の流れを感じやすいのです。難しい言葉で言いますと気密が取れない
状態にあるということです。他にも隙間があることで、音が漏れると言う現象が起きます
ので、個室やトイレ等には向かないかもしれませんね。
うちは建築会社ですが、恥ずかしいことにトイレの引き戸を、開き戸に取り換えてしまった
ことが過去にありました。でもこれは人の感覚ですから、全然大丈夫と思えばその限りでは
ありませんね。