2022/04/01動くもの続4
建具は当然のように出入り口の所にあって、一日何回も開けたり締めたりを繰り返す
ものです。そのようなことから、やはり頑丈で少々のことでは壊れない、ということが求め
られています。
その建具が何で出来ているかを見ていきたいと思っています。
建具の材質のことになりますが、木材や集成材、MDF、さらには金属、樹脂といった
ところが主な素材になっています。集成材は柱や梁といった構造材からカウンターまで
幅広い用途になっている素材です。
木材を小さなピース状に切断して、それを接着剤で固めることで、自由な形の部材を
作ることが出来るのです。建具の芯材としてよく利用されますので、表面にその姿を
表すことはありません。
今最も住宅に採用されているのがこのMDFというものです。
何で出来ているのか。木くず、鋸屑を接着剤と練り合わせて形を成形したものです。
狂いは少ないのですが、このMDFだけでは建具になりません。
そこで表面に化粧ベニヤや突板(極薄の板)あるいはプリントされたシート、
樹脂シートを貼って表面をお化粧することになります。
見栄えが良く多様な柄や色合いの建具を作れますので、今の建具の主流と言っても
いいかと思います。難点はこの表面シートは剥がれ易いということです。
10年位すると建具の小口面(建具の厚みの面)より剥がれやそそけてくることが
あります。またテープをうかつに貼ると、剥がす際に表面シートがめくれてくる
ことも良く経験することです。
それから経過年数と共に色変わりが起きて、高級感のある木質感は逆に貧弱なものに
なってくるのです。そこへいくと無垢の材木を骨組みとし、そのままの木目を見せる
建具は丈夫で長持ちするのです。多少の変形は無垢ゆえに出ることがありますが、
カンナやノミで簡単に修復出来ることもありがたいです。
無垢材の建具は、経年とともに出てくる深い味わいも魅力のひとつです。
金属製(主にアルミ)建具は主に公共施設や集会場等、使用頻度の高い所で良く利用されて
います。また樹脂建具は軽いことから住宅のインナー建具でも見られますね。