2022/04/07動くもの5
建具のことは最後になりますが、今日は金物についての話になります。
今迄開き勝手や扉が何で出来ているかということを述べてきました。
建具は金物の選び方で使い勝手が良くなったり、維持管理の状態がいつまでも良い
ことになりますので、相応しい物を選びたいところです。
メンテナンスにおいてよくお客様から連絡いただくのが、戸が枠や床に当たって閉まり
にくいと言うものです。
戸にひずみが来る、あるいは下がることで他の部材に干渉して、そのような現象が起きて
いるのです。元々建具と枠や床は3ミリ位の隙間を取って作られ嵌められています。
微細な寸法の中で動いていますので、狂いが少なく丈夫な金具を選ぶことが肝要ですね。
建具と枠は丁番で取り付けられ、自由に回転するように出来ています。
この丁番の選び方やビスの長さが強度に影響しますので、ここが注意点になります。
ギボシ丁番は最も信頼性の高い丁番で、安心感の持てる部品です。
出入り口の建具は重量がありますのでここにはお勧めです。
金具もそうですが、ビスの止め方はもっと大事なことです。枠の後ろにある柱や間柱迄
届くような長い物を使うと安心ですね。
引き戸は日本建築に於いてなくてはならない建具です。空間を無駄なく使え、和室に於ける
所作が目に浮かぶ位日本人には慣れ親しんだ建具です。襖はそれ自体軽量で動きに問題は
ありませんが、一般の引き戸は出来るだけスムースなものにしたいです。
それには吊り戸でのローラーガイドが最も使い勝手の良いものになります。
指で簡単に開け閉め出来ますのでお勧めです。更にいうと建具の閉まり際にはキャッチと
いう金具を付けると衝撃音を解消できますので、セットでの採用をお願いしたいです。
建具金物は種々多様な商品が開発され出回っています。
建具の機能に相応しい金具は、デザインもさることながら、頑丈であると言う視点で
選びたいですね。