2022/08/04ポイントがある
住まいの大きさが以前とは違い、コンパクトなものになってきたと先日お伝え
しました。合理的で無駄のない間取りは住みやすく、それでいて家の形も良い
ものです。
そこで設計するうえで、専門家でなくても間取りを考える際ポイントとなること
がありますので一緒に考えてみましょう。
先ず敷地のことからですが、家と違い自由に大きくしたり、向きを変えたりは
当たり前ですが出来ませんね。同時に周りの環境も変えることはできません。
ここが敷地たる所以ですが、ではどうやってその敷地と折り合いをつけて、満足の
いくプランを捻りだすことが出来るのかという事があります。
どのような仕事でもそうだと思うのですが、先ずは大きな所を掴むことから始める
ことが良いですね。
それは建築では敷地の特徴を良く知ることから始めるという事です。
団地の造成された行儀のよい土地、そうではない比較的個性の強い土地、いわば
尖がった感じのする土地。人間に似ていて、土地は個性が違い光る所も欠点も含んで
います。
しっかりとここを、自分なりに見つけて認識することがまず大事ですね。
具体的には敷地の形(平面と高低)、敷地にくっつく道路の様子、方位はどこが南か。
そして忘れてはならないことは、敷地と境界を接する隣地の様子です。
これは敷地に赴き実際自分の目で見ることではっきりとしてきます。
人間の目は確かで、瞬時に感覚的に判別する力を持っていることに驚くのです。
その上でカメラや巻き尺、方位の分かる携帯等を忘れずに持っていき、当たることで
安心できます。
と言うのも人間の目は錯覚を起こすことがあるからです。
よくあるのは方位の錯覚でしょうか。敷地がきれいに南を向くことは少なく、
たいていは南中から大なり小なり振っているものです。思い込みでやってしまうと、
後で太陽の傾きや日当たりを目の当たりにして気付くことになりますね。
そして磁石の指す方位と真北は数度東へ傾いていることも知っていて欲しいことです。
なぜ方位のことをあれこれ言うかと言いますと、建物は北側境界線と密接な関係があって、
プラン上制約を受けることが多いからです。
この様に敷地の概要を掴むことは、住まいと敷地を一体化する上で欠かせないことです。
先ずはそこから始めることは、良い設計をするポイントの一つですね。
次回からは具体的なポイントについて考えて行きましょうか。