2022/08/06続ポイント2
無料の住宅設計ソフトがあると聞いたことがあります。
私達は勿論専用CADを使って間取りを起こしますが、元もとは人間の頭の中を
CADに落とし込んだものです。
住いは人の考えたプランとアイデアこそが生きた間取りになると考えています。
しかし無料ソフトではありますがなかなかの優れもので、お客様が作ったプランを
見せてもらったことがあります。綺麗に着色された間取り図はあながち外れては
いないのでした。惜しいことに階段が今一つでしたが、ここは建築の断面を理解する
必要がありますので、難しかったのだと思いましたね。
建築を専門とする我々も、一般ユーザーの方がここまで上手にまとめることが出来る
ことに驚くのです。
センスのいい方がいて家具のスケッチを描いたり、自分の思いを絵で表して渡してくれる
のです。ユーザーさんの熱意と努力に拍手したいのでした。
その出来上がった間取りプランは、どのようなプロセスを経たのかとても興味深いもの
があります。失礼な言い方ですが、当てずっぽに嵌めていったものが結果として形と
なったのか。あるいは部屋の配置や繋がり(動線)を意識して考え出されたものなのか。
プランを考える時参考になるのがゾーニングの手法です。
これは敷地の上に文字通りゾーンを決めることで、プランの方向性をしっかりと持って
考えようとするものです。
繋がりの欲しい部屋、あるいは日差しを最も重視したい、道路や隣地からの視線は
避けたい等、気になる点はたくさんありますね。
そこを大まかにゾーニングしていくのです。その際多少の動きはあって当然と言う
気持ちで進めるのがいいです。
その気持ちが、自由な流れを作り発想は自在に広がっていくことになるのです。
途中で変わっても結構、思ったような形と違う方向に行くことはよくあることです。
それを自分が受容できる域で修正して、また違うところから攻めてみるということの
繰り返しをするうちに、ストンとすべてが丸く納まる時がやってきます。
これが設計作業の真実ですね。ですからエスキースしたスケッチは鉛筆の芯で汚れていて、
人が見ても分からない事があります。しかし書いた本人は完成しているのでした。