2022/10/03検査3
コンクリートは石灰石が主成分のセメントの発明により、急速に需要が伸びたのです。
今ではあらゆる建築に使用されて、丈夫な構造物を作るために無くてはならない建材と
なりました。木造住宅を手掛ける楽しい家でも、一棟当たり約10数㎥を費やして基礎
工事がなされます。
鉄筋が餅網状に組まれたべた基礎の厚さは15センチ程度。全体の建築重量を面として
支えているので、沈下の恐れもなく安心していられます。
さてそのコンクリートも適切な打設と管理があって、本来の強度を発揮できるように
なるのです。
比重は水の2倍で、バケツに入ったコンクリートを持とうと思ってもなかなか出来る
ことではありませんね。
コンクリートの試験は、供試体と呼ばれる筒状に打たれたコンクリートを、油圧式の
圧縮試験機に掛けて得られる値で判断します。
鉄筋の試験は引っ張る試験ですが、コンクリートは圧縮することで強度を測るのです。
以前も紹介しましたが、引っ張りに強い鉄筋、圧縮に強いコンクリートは奇跡の
組み合わせと言われます。
どうして奇跡なのか。それは鉄とコンクリートの相性がよいことからそのような呼ば
れ方をされるようになりました。
昔、植木職人は植木鉢がよく割れることが多くて困っていました。
そこで植木屋さんは針金をぐるぐる巻きつけて形を作り、その上からモルタルを塗って
鉢を完成させたのです。
すると思いがけず割れは少なくなり、丈夫な鉢が出来たのです。そのようなことが由来
としてあったのです。
試験機にかけるテストピース(供試体)は直径10センチ、長さ20センチで成形
されたコンクリート柱です。
よくホームセンターのグリーンコーナーに花壇の土留め用に売っている品物です。
試験は圧縮機に乗せて徐々にプレスする方法をとります。
荷重とともに一次曲線状に強度は増してきます。
やがて許容応力度付近になりますと緩やかなカーブを描く曲線になり、それ以上の
応力は出ません。更に荷重をかけ続けると試験柱は破断して粉々に散ってしまうのです。
現場での試験体の採取ですが、コンクリートミキサー車から取り出した
コンクリートを筒状の型枠に入れて、供試体を6本確保します。
なぜ6本なのかと言うと、3本は1週強度、残りの3本は4週強度を測るための
ものです。
建築の強度は24キロニュートンが標準ですが、超高度コンクリートが出来る
ようになり超高層ビルや重要施設物に使用されています。