2022/12/11登録される
ユネスコの名を聞くことがありませんか。
世界遺産はこのユネスコの機関が登録したものです。日本では法隆寺に代表される奈良
の建築群や、清水寺に代表される京都の建築群が世界遺産に登録されています。
奈良、京都はかつて都の置かれた地で、多くの名建築が指定されるのは分かります。
他にも白川郷の民家建築や姫路城にと、日本の伝統建築の優れた所が認められたのでし
た。さらに2020年のことになりますが、「伝統建築工匠の技」として今度は無形
文化遺産登録に選ばれたのでした。
17分野があり伝統建築の木工、修繕、茅葺屋根、建具、畳、屋根瓦、左官塗り、漆塗り、
等が伝承すべき匠の技として登録されたのでした。
放っとくと廃れていく運命にありそうな状況で、ここで登録されたことは人々に、世界に
認識されて嬉しいです。
木工は木造の加工の仕方が登録されたものですが、現代の木造建築と決定的に違いが
あります。
それは何と言っても、釘類の金物を一切使わないで組み建てられることにあります。
木組みの働きだけで骨組みを丈夫なものにすることが出来て、その加工は巧妙で精緻な
ものです。良く法隆寺に代表される古建築が、いったん解体して部品として分解される
のは、そのお陰でもあります。
組み立てた順番と反対に一つずつ部材を外すことで、なせる業になります。
三次元に組み合わされる部材の墨付けは、大工の棟梁が差し金一本で行うものです。
このような匠の技術を研究開発して、実務のレベルに進展させた先人の知恵には驚く
ばかりです。
また茅葺屋根も風前の灯火の状態です。茅の調達は困難で、熟練工は既に高齢者の域に
あり、伝承の危機にあるといえます。
集落には共同体としての協力体制があって、各家庭の屋根葺き替え作業は行われたので
した。手伝いをした記憶はあるのですが、もう何十年もそのような風景は見ませんね。
そば茶屋だけは例外で残っていますが、続けて欲しいです。