2020/12/13木材の強度比較
森林総合研究所という機関があります。
今は所轄が林野庁に代わりましたが、ここで木材の強度試験を
実験したことがあります。
乾燥の程度による強度の違いを測るものです。
自然に近い乾燥材、80度くらいの乾燥釜でのもの、120度を超えるもの
それぞれを圧縮、引っ張り、剪断、曲げ等の耐力を調べました。
木材という活きた材料を高温の釜の中に入れて乾燥することは
木の持つ生き生きとした色合い、保湿性、保温性等を損なうと
直感的に思いますね。
今回は強度を知るという実験ですが、
結果的には一番強いのは自然に近い乾燥材でした。最高温度130℃で乾燥したものは
予想通りというか著しい強度の低下を表したのです。
数値的に約20パーセント位に強度が落ちてしまいます。
木の持つしなやかさ、粘り強さは木材の他に見ない長所ですが、高温乾燥を
することにより劣化してしまったのです。
木のみずみずしい細胞は破壊され、樹脂やしっとりとした肌さわりはなくなってしまいます。
たまに必要になって大工さんが現場でカンナをかけると、カンナくずはボロボロと細かく
砕けて落ちてしまいます。
木の持つ良さを最大に生かして木造の家を造りたいですね。