2021/01/11抜けはどこにある
土地を手に入れると俄然家造りが身近なものになります。
理想の家造りが現実に始まろうとするわけですので、気持ちが高揚するのは
当たり前ですね。そこで今日は家を設計するにあたり、「何に気を付ければいいのか」を
考えてみたいと思います。大きくて漠然とした言い方になりすみません。
設計作業の要素は敷地計画、間取り計画、構造計画、照明計画、インテリア計画、設備計画、
建具計画・・・等いくつもの設計作業を積み上げて、一つの住まいとして機能するように
なされます。
ですが建築士の中ではそれを個別に考えることではなく、同時進行的に構想の整合性が
取れるようにしています。それはその通りなのですが、一歩目はやはり間取り計画を
考えるものです。これがなければ他の設計作業は進むことはありませんね。
そこで「間取りを考える時、何に気を付ければいいのか」ということです。
それは大まかな部屋のゾーニングを最初にするということです。
リビング空間、水回り空間、プライベート室、階段空間等の大きな部屋のくくりを
決めるということです。
小さな空間は最初は考えなくていいです。なぜなら考える途中で生まれる空間が
必ず出てきますので大丈夫です。
そのうえで日当たりのいい所はどこか、静かな子供部屋をどの方角に向けたらいいか等を
考えるとパズルがはまったように出来てきます。
ゾーンがまとまり間取りが出来る瞬間ですね。
それから間取りを考えるときに「敷地を読む」ということを言う人がいます。
意味合いは敷地特有の環境を生かして設計にあたるということです。
その一つの手法に「抜けを探す」というやり方があります。
団地でも空間の広がった気持ちの良い方向があります。
高台の敷地であれば海が見えるとか、山並みが美しいとかいう方向のことです。
人によっては日当たりを犠牲にしてでも、素晴らしい「抜け方向」にメインを決めることも
あります。このことを意識的にすることで設計の多様性と可能性が広がってきます。
ありのままの敷地に向き合い、どう活かすかを考えることは楽しい作業でもあります。