2021/05/19家と自然
新築工事が完成すると、決まって全景写真を撮って記念としています。
その際植樹がなされていると、いっそう建物は引き立ち、出来栄えの良い写真に
なります。ツリーが一本あるだけで違いますから、自然に生きる植樹の力は
とても大きいです。写真映りだけではなく、人間の生活にとっても潤いが生まれ、
季節毎の移り変わりを味わうことが出来るのもまた、自然のいいところです。
建築屋として出来るだけ庭、グリーンの費用を確保することを進めています。
「自然の中にたたずむ家」とはよく住宅会社が使うフレーズです。
人にとって自然は、人が誕生以来ともに居住した所ですから、親しみを覚え
落ち着くのは当たり前のことですね。
何万年もの間、人間に深く刻まれた記憶が呼び覚まされて、自然を本能的に
求めるのではないかと思っています。それは理屈抜きに人間が希求していることで、
何か特別な理由があるわけではないでしょう。
人間にとってただ気持ちがいい、そこにいるだけで深いやすらぎを覚えるといった、
動物的な感覚だけです。現代社会は人工的な物にあふれ、生活の場は自然から遠く
離れた場所に構えるようになりました。もうずいぶん昔から、家の中は工業化学製品で
埋め尽くされてしまい、このような環境で生きることを、人々は余儀なくされてきました。
そこでは息苦しさや不快感を感じながらも、抗う術や情報を得ることが出来ませんでした。
しかし今に生きる私たちは、住まいの与える影響(良いことも悪いことも)を知ることが
出来ます。情報も主体的でありさえすれば沢山取ることができます。
ただ情報過多で、真の価値に辿りつけない人がいることも知っています。そのような時は、
人が本来持っている五感を是非働かせてみてください、きっと見つかりますから。