2021/03/22大工の給料
大工さんは基本的に一人親方という制度の下にあります。
会社に勤める正社員大工はまだまだ少なく、大工さんは自由がきいて仕事も選べる
状態で仕事がしたいという人が大多数です。
若い頃から長年の修業時代を経て、やっと一人前になると師匠から暇を
貰えます。(大工の見習いが一人前になる時、師匠の傍を離れて自由になること)
鹿児島の職人さん、なかんずく大工の世界はこのような言い方をされて、
祝福されたのです。本人も一つの区切りとして、ここを目標にやっていますので
喜びは大きなものがあります。
「手に職を覚えると食いはぐれがない」と言われて、どこへ行っても
稼げるようになります。そのような大工さんが稼ぐ給料は一体いくら貰って
いるのでしょうか。「一人前の職人さんだったらサラリーマンより稼ぐと
思うけけど・・・」「いや意外と普通の給料位だと思うよ」と様々に人は言います。
職人は月曜から土曜まで働きますので、週休1日で働くことになります。
これも少ないと思いますが。
ある時リフォーム工事で大工さんの日当を1万5千円で計算して請求すると
「大工さんの日当は高いね」と言われたことがあります。本当にそうでしょうか。
大工さんに社会保険はありません。健康保険は国民健康保険、年金は国民年金です。
失業保険も勿論ありません。会社に勤めていたら、半分は会社が費用負担してくれるので
ありがたいです。(知らない人も多いですが)
当たり前のことですが、大工さんは道具代を自前で払わなければなりません。
プロの道具は私たちがホームセンターで買うような代物ではありません。
値段がとにかく高いのです。それに車のガソリン代は誰かが支給してくれる
わけではありませんね。稼ぐ給料からこれらの経費分を引くと・・・。
予想がつきますよね。決して多く貰っているとは言い難いのです。
「若い人が職人にならないのは」「親父が営んできた鉄工場や建具屋を引き継がないのは」
仕事がきついわりに報われないと思っているのかもしれません。
どんどん高齢化が進んでいる大工さんや建築職人の環境です、何とかしないとですね。