2021/04/14夏のコンクリート
今迄常識だったことが、時代が進むに連れ違う常識になることをよく経験しますね。
堺の仁徳天皇陵は世界遺産に登録されましたが、今では大山古墳と言ってもよい
ということです。また鎌倉幕府の成立は1192年(いいくに造ろう)と暗記したものです。
それが1185年(いいはこ造ろう)に変わると言われます。今までの教科書で覚えた人は
なかなか切り替えがうまくいきませんね。
同じようなことが建築で使用される生コンクリートでも起きています。
以前「冬のコンクリート」として紹介しましたが、夏でも冬と同じような対策が必要に
なってきました。もう数年前からの事でしょうか。
建物の強度は基礎のコンクリートが、重要な役目を果たしていると言っても過言では
ありません。真っ先に打たれる所が基礎になるのです。
夏の生コン(生コンクリート)は以前の常識では、早く強度が出始めて
4週強度(4週間後の強度)も優れている、ということでした。
しかし色々な試験結果がやデータが出てくるに連れて、
「高温での生コンの化学変化の影響を無視できない」ということが段々分かった
らしいのです。勿論ここでは強度の低下をきたすという意味でです。
それで数年前から一部の住宅メーカーでは、夏場のコンクリート強度を上げて
打設することにしているようです。うちではまだそこまでは対応していませんが、
いづれそのような日がやってくるかもしれませんね。
夏場のコンクリート打設は、現場感覚としてどの技術者も皆さんよく知っていました。
それで先輩から「夕方はホースで水を撒いておけ」と指示されたものです。
急乾燥したコンクリートは脆いということを、間近に見ていたのです。