2021/05/20解決の糸口
現場マンは大きな工事現場だと、一日中外にいて職人や協力会社と連携をして
各工事の進捗を図っています。直接ハンマーや鏝を持つことはありませんが、
近いところで指示をしたり、一緒になって作り上げることをしています。
ですから時には服が汚れたり、手袋をはめてする仕事もあります。
また粉塵がまったり、解体工事のコンプレッサーの音がする中に居続けて、
仕事を遂行しなければならないこともあるのです。マスクを当然しなければ
いけないような、空気の悪い環境下の作業でも、職人さんはあまりマスクを
付けたがりません。実際に職人さんのようにして、道具を握って作業の
アクションをしてみると分かりますが、息苦しさと暑さで汗をかき、更にメガネは
曇るはでとても仕事にならないことが分かります。そのような事情もあって余程の
ことがない限り、マスクにお世話になることはありません。建築業で長年働いた方は、
高齢になると体調を崩す方が多いように感じています。(何かデータがあってのこと
ではありませんのであくまで感覚として)
話は代わりますが、私が就職してまだ日が浅い頃、アスベスト(石綿)の危険性が
指摘され始めました。軽量、安価そして作業性が良いことで、天井や壁に張られた
ものが石綿板でした。その際、作業により口や鼻からアスベストを吸い込んだのが、
現場で働く職人だったのでした。当時アスベストラックスとも言われて、現場では
重宝されたのです。誰かのフレーズではありませんがあれから40年、アスベストの
被害者が多数出てきたのです。潜伏期間が40年に及び、静かな爆弾とも言われて
顕在化してきたのです。まだこれから予備軍の人が多くいて、2040年頃までは
続くと予想されます。一方で先日争われていた裁判で、国とメーカーの
責任を認める判決が言い渡されました。危険性のある事が分かっても適切な対応をせず、
企業は製造を止めないことで、被害は拡大したと断罪しています。