2021/06/17商いをする建物
天文館や中央駅付近は、いつもどこかで店舗や飲食店の工事を見かけます。
そんなに古くないのに、いつの間にか内外装の工事が始まって、新装オープン
ということがよくあります。どうしてそんな勿体ないことをと疑問がわきませんか。
10年もやってきたので、イメージチェンジが必要で、というオーナーの方。
また新しい店子が借りて、店の雰囲気をこの際変えたいという方。あるいは業態が
そもそも違うので、店の内外とも一新する必要があるということもあります。
色々な事情と理由から、商業建築は途切れることなく続いていきます。
私も商業建築を専門とする会社の協力会社として、お世話になっていた時期があり
ます。建築の本流とはちょっと違った流れがありますが、やってみると結構面白い
ものです。私がお世話になったのは、㈱カゴシマ〇場という大きな商業建築の専門
会社です。スーパー、ウナギ店、バッグ店、飲食店、焼き肉、紳士服等、商売を
するための建築であれば、なんでも出来る能力と実績を持った会社です。
私が担当するのは、先ず既存店舗の解体撤去工事からになります。
これが始まらないと何も進みませんので、先兵隊のようにして取り掛かるのです。
店舗工事は短期集中で、与えられた工事期間は短く総動員して片付けることが多い。
というのもクライアントの日程は既に決まっており、売り出しのチラシや広告、
オープンセールの開催、従業員の教育等のスケジュールは変えようがないのです。
店舗のオーナーさんは売り上げの計算を立てて、投資した工事費用の回収を
一刻も早くスタートしたいのです。だから悠長に構えている暇はないのです。
その辺のことは阿吽の呼吸と言いますか、工事関係者も承知の上で、出来る限り
応えようとします。また工事は閉店してからになりますので、夜9時頃からになる
ことが多い。解体は朝まで夜を徹して行われ、東の空が白んでくる頃には、目途が
立っている事が理想ですね。今考えると、あくる朝からでもいいようなものですが、
やっぱり店舗業界独自の習性でしょうかね。そのことにより一日浮きますからね。