2021/07/08気になる音、続
日常生活を送る中で不快な音は色々あるものです。
ウォーターハンマーの事は以前書きましたが、他にも床鳴りという比較的
多くの人が経験する現象があります。先日に続いてこのことを一緒に考えたいと思って
います。鋼製束や根太、大引きの不具合は床下に潜り込み、ねじの調整やビスで浮いて
いる所を、締めることで多くは改善されると言いました。
実はそれ以外でも床鳴りすることがあるのです。それは床板同士がきしみ合って、不快な
音を発生させていることです。床板は連続して張られることで、不陸が無く、後からの
板のひずみを抑えることが出来ます。板の線が真っ直ぐ通り、緻密で美しいラインが引き
立って見えます。この秘訣は床板に施されている「実加工」という材の加工のおかげでも
あります。手に取り板の断面をよく見ると、凸と凹の加工がしてありますので、見る機会が
ありましたら今度気を付けて見てください。
それは良いのですが、この部分はデリケートな所で、床板同士をきつく締めて張ると、板が
こすれ合うことがあり、かといって隙間が明くくらいの加減で張ると、今度はその隙間が
よく見えることになります。ですので「名刺一枚挟んで貼りなさい」という
方もいます。おまけに季節によって、木は収縮と膨張を繰り返します。
これが原因となり、床鳴りを起こすこともあって一様ではありません。また表面か裏面か
どちらが鳴っているのかわからないことがあります。
誠に処置に困るのですが、ここは板を削ることが出来ませんので、脳天からビスを揉み込み、
締めて止めることになりますね。最後に埋木をしたら終わりです。
それともう一つ忘れることのできない原因があります。たびたび起こるので、覚えて
いただければと思います。床板や根太の作業は何の問題も無くできているのですが、
配管(主に排水管)がこれに接触して床鳴りが起きる場合があるのです。
多いのが洗濯機や水回りの床面に出てくる、掃除口と呼ばれる所です。
最終段階で穴を明けて取り付けるのですが、しっかりと配管を固定して、他部材と
干渉しないように隙間を確保しなければなりませんね。