2021/09/16羊頭を掲げて
今ネットに堂々と「保険金で家の塗装が出来ます」という文字が躍っています。
さらに「あなたは保険金で大損をしています」というものです。ちょっと考えたら
分かるのですが、保険金は災害があったり、事故があった時の為に掛けるものです。
ここ数年で火災保険は異常な程上がってしまいました。住宅ローンの返済期間終了迄
使える一括支払での保険は今ではもうありません。随分金銭的な恩恵があって、皆さん
この方法を選んで掛けたのです。しかし今は10年が最長期間となり、さらに近いうち
に5年迄短くなるそうです。こうなった原因は、日本全国で災害が頻発して、預かる
保険金では追いつかなくなったのです。もう一つは保険金詐欺にも近いようなやり口を
指南して、多額の保険金をせしめる輩がいることです。なぜ知っているかというと、住宅
会社には様々な電話がかかってきます。投資の話、ゴールドをお勧めする、高利での事業
資金の貸付、商材の斡旋にとうちの会社が大儲けしているかのような語りをしてやって
きます。火災保険で一儲け出来ますよとは言いませんが、やろうとしていることは同じこと
です。保険金請求をうちの会社が申請しますので、保険が降りてきましたら3分の1を
手数料として支払って下さいというものです。成功報酬として支払うもので、お宅の会社
は何のリスクもありませんから、と言います。3年くらい前の台風や地震までは何とか
なることが多いですと。話を聞いていてかなりの違和感と小さくない怒りの感情を覚えた
のです。災害保険の約款と規則を細かく調べて、補償事例もよく知っていて請求をするの
です。今切実に困っている方ではなく、保険金を出すために建物の粗を見つけては「無料で
修理が出来ます」とやるのです。元来保険金は被災者に寄り添うべく、優しい査定と基準で
審査が行われます。いわば性善説に立ち、早く復興して欲しいという意味合いを持って制度
化されています。そこを逆手に、ビジネス化して膨らんだ金額の請求をする人達がいるの
です。それがひいては保険金の大幅なアップの隠れた要因にもつながっています。
このような話が来ても乗らないことですね。