2021/11/09食わず嫌い4
UBと手造りバスはそれぞれ特徴がありますので、自分の好みと予算で選べばいいのでは
ないでしょうか。しかし現在では圧倒的にUBを設置する方が多くなりました。
UBが世の中に出始めて、何故手造りバスは不人気になったのでしょうか。幾つか思い当た
ることがあります。最もそれらしい理由は、施工的な面で圧倒的に有利だったということ
です。設置というくらいですから、BOX状の浴室を持ってきて据えればいい訳ですので、
工事は早くて簡単で、費用もだいぶ安上がりで済みます。そして何と言っても湿式での
工法が無くなることで、現場がいつも綺麗に出来た事も大きいですね。
左官という熟練工が必要でなくなったことは、それ以後の住宅造りに大きな変革をもたら
したのでした。
しかしUBは手造りの浴室に比べて、見劣りする面が多々あったのでした。
その一つはプラスチック製故の貧弱な仕上がり感は、安普請の家を連想させて嫌がられた
のです。ゆっくりと風呂に浸かり一日の疲れを癒す所が、薄っぺらい音のするプラスチック
製では味気ないし、満足感は今一つでした。タイルや石の重厚感と風合いは望むべくもあり
ませんね。それくらい初期のUBは未完成の感じがしたのでした。
機能を備えただけのただのプラスチックの箱だったのです。それでも徐々に改良を積み重ね
て次第に評価されるようになり、今ではお風呂と言えば、それしか思い浮かばない人が大半
でしょう。手造りの風呂はもっと復権していいと思っているのですが、なかなかそうなりま
せん。それは何か他の要因があってとしか考えられませんね。
次回はそれを一緒に考えてみたいと思います。