2021/11/10続き
手造りの風呂はなぜ今では見なくなってしまったのか。
早く、安く、経済的にできるのがUBの良さですが、そればかりではない所がありますね。
タイルや石の貼られた風呂に入った人は実感すると思うのですが、冬の寒い季節に服を脱
いで浴室に入るのはかなりひんやりとして、風邪を引きそうな思いがします。
また足元のタイルは凍るような冷たさがあり、熱をどんどん奪われる感覚を覚えるのです。
身体を温めるために入る風呂が、一瞬とはいえこのような不快感を味わうことで、おっくう
になってしまうのは分かりますね。
また浴室は結露があちこち発生して、ぽたぽたと水滴が落ちてきませんか?
素材により幾分仕方のない面はありますが、断熱の仕方が完全でないために起こる現象です。
足元の冷たさは無理と思っているかもしれませんが、そんなことはありません。
サーモタイルという商品名の断熱タイルを貼れば、温かくはありませんが冷たさは和らぐの
です。また建築屋はよく経験して知っていますが、風呂周りの床下は湿気が多く、木の腐れ
や、シロアリを呼び込む好条件が揃っているのです。
なぜ建築屋は分かるのか?リフォーム工事でここを剥いでみると、木は黒ずみ腐れ掛かって
いるからです。このような現象は例外が無い程同じような傷み方をしています。
住んでいる人がこれを見てどんな思いをするのか、容易に想像できますね。
これではいくら手造りの良さを説いても話は聞いてもらえません。
まずしっかりと防水工事を施し、水分が外へ一滴も漏れないようにすることが、何より先に
すべき工事です。そうすることで懸念される不安は全て霧散してしまうと言っても良いです。