2022/01/23木のこと
この欄でも度々お伝えしてきたのは木の乾燥の事です。
木造の家は木が命と言っていいくらい重要な意味を持っています。
言うまでもなく大きく生育した丸太(植林後40年~80年)を製材して、柱や梁に加工
されたものが建築の構造材となるのです。
樹芯を持ち円形状に年輪があるものが理想で、柱も梁もそのように製材されます。
さて問題としているのはここからのことになります。一般的に木造の柱は100本位は
必要です。家の重量は全て柱に下りてきて土台、基礎から地盤へと伝わっていくのです。
この柱の役割は梁と共に極めて重要な役目を負っています。
ですので私たちが木材屋さんと話をするとき、産地の事をまず聞きます。
なぜ産地かと言いますと、地元で育ち大きくなった木でないと木の働きが鈍いからです。
地元の気候風土で育った木だと夏、冬の気候に順応して湿気の調節をしてくれるのです。
どういうことかと言いますと、夏の蒸し暑い湿気の多い時期に木は、吸湿の働きをして
くれるのです。
冬はその反対に夏場に吸湿した湿気を放出してくれるのです。
梅雨の時期にじめじめとした感覚が少なく、さっぱりとした感触を覚えるのはそのため
です。冬の季節は湿度が下がり、喉や鼻の粘膜は乾燥から無防備の状態に陥ります。
風邪を誘発したり、のどを傷めたりして体調の維持には苦労します。
室内に木の柱や梁、天井板、床板があったら、どんなにかやさしい柔和な室内になった
ことでしょうか。このことは経験者として実践者として、身をもって保証出来ますと言い
たいですね。但し木が充分に生かされ、本分を果たすことが出来るのは、自然な状態で
乾燥されたものでなければならないということです。
次回にその為の木の乾燥方法についてお話ししたいと思います。