2022/01/26木を活かす2
マイホームを造る人の8割が木造住宅を希望していると言います。
そして昔からこの数値はあまり変わっていません。
しかし実際には色々な事情で、7割位の人が木造住宅で家を造ると言われます。
私が言っている木造とは、木造在来工法の事をここでは指すことにします。
というのは分類上2×4工法や枠組壁工法(力学上2×4と一緒)も、木造住宅という
ことになっているからです。主に何で造られている住宅か、という視点での分類で
そのようになったようです。
しかし一般感覚で言うと2×4工法、枠組み壁工法を木造住宅と認識している人が、
どれ位いるでしょうか。木造住宅は日本の伝統工法です。外来工法の家造りと一緒に
するのは無理があると思います。
さて人工乾燥された木材の弊害を前回指摘しました。人工乾燥木材は一面、住まいの
品質の確保と、ばらつきの少ない家造りに大きな貢献を果たしました。
このことはまぎれの無い事実です。
しかし木の持つ特性と長所を犠牲にしていることは、勿体ないことです。
木の家を長年造っていますと、そのような思いはますます募るばかりです。
ここで実践者の立場から、現場で経験してきたことをお伝えしたいと思っています。
建て方の作業はクレーンが現場にやって来て、柱、梁の骨組みを完成させるものです。
通称棟上げとも言います。その作業中稀に、梁や柱のホゾが固くて入らないことがあり
ます。そうすると掛矢と言われる大きな木槌で叩いて、はめ込むことになります。
この時ホゾが割れたり、折れたりすることがあります。ちょっと驚くのですが
粘り気がないと言うか、もろいと言うか、木に生気が無いような姿を見せるのでした。
これは大工さんなら殆んどの人が現場で経験する事です。
それでは続きはまた次回にしたいと思います。