2022/03/22勤務地続5
尼崎の現場は、土木との合同事務所になっていて、同じ会社でも気風の違いを
感じたのでした。土木は大平所長以下社員の皆さんは、お互いに関与し合いながらも、
大らかな雰囲気の中で仕事をしている印象がするのでした。
それは個人的な関係においても感じることで、いい意味でとても人間的な職場でした。
若い私にちょっと隙があったと言うか、雑念からトラブルを引き起こしてしまった
ことがあります。どこで相手とそのような関係になったかもう忘れましたが、
マルチ紛いの商法に引っかかってしまい、事務所に電話が来るようになってしまった
のでした。怪しい商品を仲介にして会員を増やすやり方は、すぐにおかしいと思った
のですが、後に引き返せない状態でした。それを感じ取った大平所長は私を呼び、
事情を聞きだすとすぐに動いてくれたのでした。
そして事務所にやってきた来たその担当者を一喝して、退けてくれたのです。
それは私が現場に行って仕事をしているときの事でした。
事務所に帰ってくるなり「その件はもう始末をつけたからな」と一言言って
解決してくれたのでした。
50歳を過ぎた位だったと思いますが、腹の坐った大きな所長さんでした。
更にお世話になるようなことがあったのですが、これ以上恥の上塗りは勘弁
願いたいと思います。
そのようなこともあってか、土木の人達のお互いが関心を寄せる職場の雰囲気は、
私にはとても水の合う思いがするのでした。
さて建築の仕事は経験がものをいうと言われますが、ここでは水平式の大型
クレーンが設置されたのでした。タワークレーン程ではありませんが、荷揚げの
事は仮設計画の最も重要な肝になります。
クレーン車を呼んでの荷揚げか、設置型のものにするかは場所の確保、費用の比較、
作業性を考えての決定になります。ここでの建築工事は、以後の建築人生において
貴重な経験値として生きてくるのでした。