2022/04/11再生する
建築材としての木材は圧倒的に針葉樹が多いです。
その代表は杉と桧でしょうか。昔は松も切り出されていましたが、松そのものが
もう山に無く、資源としては枯渇したも同然です。
その杉やヒノキは5~60年もすると立派な木材資源として活用されていました。
しかし安い外材が輸入されるようになると、すっかり山林は荒れ果ててしまったのです。
それは車で走っていてもその惨状はそこかしこで見ることが出来ます。
暗くて地肌の露出した山林を見ると、寂しい思いをするのは私だけでしょうか。
山の植生は止まってしまって、生きている山の姿ではありませんね。
そこには針葉樹林の限界を見る思いがするのです。もっともこれは杉やヒノキに問題
があるのではなく、植林された山の手入れがなされないことにあるのですが。
そして針葉樹林は適切に管理がされないと、色々面倒なことが起きるのです。
近年の土砂崩れの災害は著しく、各地で頻発しているのはその典型です。
山肌がむき出しになると、雨を受け止めるだけの保水力が足りないために引き起こす
ものです。山の地面は本来枯れ葉が厚く堆積して、柔らかい足触りがするものでした。
しかし管理がされない山は、日光が地面まで下りてこないことから、中小樹や下草、
ツル等の植生が消えて無いのです。
それで雨天時には、一気に雨が流れ出して表面の地肌を削り取り、災害になることが
知られています。それだけではありません。沢や川に一気に泥が流れ出すものですから、
川の生態系を壊している状態です。
横浜の友人はよく新潟のあたりまで渓流釣りに行き、取れたヤマメを送ってくれることが
あります。ですが近年の災害で、そのような川は一変したと言います。
清流の水と川べりの植生は変り果て、釣りの出来る所は年々少なくなったと言います。
適切に手入れされた針葉樹、多種多様な雑木の山林は豊かな自然環境を生み出している
ことが分かります。