2022/04/12恵はどこに
山里に分け入ると、多様な樹木と色彩豊かな景色に出会い、大変魅力的な世界が広がって
います。そこは鳥のさえずりが聞こえ、花や実をつける植物を見つけ、たまに小動物に出会い
また季節により変化する風景を見ると心躍る気持ちになるのです。
何より清々しい空気がおいしい。山が身近に有り、小さな頃に親しんだ体験はいつまでも
記憶に残り誘われるものです。ゆっくりとした時間が持てるようになったら、また分け
入りたい気持ちでいっぱいです。
昨日山林のことをお話ししました。杉やヒノキの山は適切に管理がされないと、荒れて
しまうということです。針葉樹林は木材資源を生み出し、建築素材としても無くてはならない
山の姿です。一方雑木林と呼ばれる広葉樹を中心とした山は、その名前が失礼な程豊かな山の
姿をしています。
もう前のドキュメントでしたが、海で魚が獲れなくなり水揚げが減ってきたのでした。
なぜそのようになったのか原因が分からないでいました。
ある人が山から海へ流れる川の水や雨水が、海に影響を与えているのではと考えました。
それ以来山間部を多様な樹木と植生で再生することにしたのです。
多くの針葉樹林の地表面は、剝きだしの土の状態で荒れてしまっていました。
それが年を経る毎に、落ち葉や枯れ葉の堆積した地表面に変わっていったのでした。
そこには微小な生物も多く生息して、有機物が豊富で肥沃な土壌に変わっていったのでした。
そのような土壌を浸透した川の水や雨水は、多くの栄養分を含みながら海に流れ着く
のでした。
すると変化が起き始め、段々と魚が獲れるようになり、港は昔の活気を取り戻したと言
います。同時に多くの魚種が戻ってきたのは自然なことでした。
このドキュメントは、自然の持つ力は偉大であると同時に、自然であることの大切さを
教えてくれているのでした。