2022/04/29勤務地12
現場所長は赤坂所長、主任さんは乾さん、内仲さん、君野の4人のスタッフです。
赤坂所長は秋には55歳になり、定年退職を迎えるのでした。
まだまだ元気で、出来ることなら仕事を続けたいという気持ちを持っていましたが、当時の
定年はどこも55歳でした。
年度末には完成する仕事で、せめてその時まで会社にいられたらと思っても民間の規定では
そうはいきませんね。満55歳で残念ながら退職となったのでした。
クラシック音楽の愛好者で、西宮のご自宅に泊まらしてもらうことがあり、早速
モーツァルトかシューベルトか忘れましたが、掛けてもらったのでした。
演奏が終わると「どうだったね」と聞かれて、困ってしまい頭で考えた感想を言うと、
「君は真面目だからそういう感想になるね」みたいなことを言われるのでした。
何せクラシック音楽は学校時代に聞いて以来です。何かを語る素養が無い中で無理をして
分かったような事を言ったのかもしれませんね。
今だったらもう少しフランクに「聞いていて気持ちのいい音楽だとは思いました。でも何を
どう言えばいいのかは分からないところです」と言えたのです。
当然のように工事の途中ですので、所長の引継ぎが行われることになります。
新しい所長は山根所長さんです。山根さんは厳しい所長で、主任の乾さんは何かに付けて、
質問攻めにされるようなところがありました。
決して乾さんが出来ない社員さんではないことは私達も分かっています。声はよく通るし、
現場での指示は明快で、協力会社の人も安心して付いていけたのです。
そして相変わらず50年代は建設不況で、新入社員は全社で何十人くらいしか採用されず、
後輩がやってくることはありませんでした。すぐ上の内仲さんとは、よく阪神福島駅前で
一杯やっては気合を入れられたものです。