2022/05/31勤務地15
この大正区の現場の特徴は、普通の建築のような各階というものは無いのでした。
深い地下ピットがあるかと思えば、広いクレーンの走る空間があって、柱や梁の
太さはビルとはまた違うのでした。
構造も鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC構造)と言いまして、柱や梁の中に鉄骨が
入ってくるのです。鉄骨造と鉄筋コンクリート造を組み合わせた構造で、かなり丈夫
な造りになるのでした。これは大型建築にはよく採用される構造ですね。
またボイラー焼却することから、どうしても煙突が必要になり、高さは80メートル位
あったと思います。この煙突、アベノハルカスから西側に、赤白のゼブラマークの姿を
探すことが出来るのです。高い所に上ってはこのような目印を探す行動をするのは、
決まって建築屋に多い気がするのです。
さて10数人もの現場職員が配属されるのは、規模が大きいことから各工事の担当を
決めて進めなければならないと言う事情があります。鉄筋、コンクリート、型枠工事に
職員が専属で配置されて、その部分だけを責任をもって担当するのです。
職員がペアを組み、連携を取りながらコンクリートの打設日に向けて頑張るのでした。
そして躯体工事が終わると次の仕上げ工程に入りますが、この段階でもまた担当決めが
行われるのでした。
それと設計事務所の現場監理人が常駐するのも特徴の一つです。
大建設計という大手設計事務所の設計監理で、このような規模の建築では恒例のことに
なります。基礎杭の位置や鉄筋の配筋が適切に組まれているか、コンクリートの品質は
大丈夫か等を、目を皿のようにしてチェックするのが仕事です。
この様な監督官がいるとなぜか現場は緊張感が漂い、職員も職人もピリリとしたものを
覚えるのでした。実際杭打工事は、地下の障害物などを予知できるものではありません。
もし転石等があると、杭の位置が規定よりずれることがあるのです。
その時のジャッジは、ひとえに監督官の判断によりなされるのです。もしエラーの判断で
あれば、増杭と言いましてもう一本打ち込む必要があるわけです。
そんなこともあってか、どこか気をあちこち張りながら現場は進むのでした。
それでは続きはまた次回ということで、今日は終わりたいと思います。