2022/06/16勤務地23
大正の現場から高木さんと藤井寺の現場にやってきたのでした。
勤務前からかなり逼迫した現場になることは知らされていて、覚悟してやることに
なるなとは思っていました。
しかし想像以上に厳しいものがあり、特急電車のような作業の仕方で、やっと完成
までこぎ付けたのでした。終わるとあちこち体のケアが必要な程、無理をしていた
のでした。
藤井寺の現場のことは以前お伝えしました通りです。(2021年10月26日より)
一気呵成(1~7)というタイトルでのことでした。主に工期の全然足りない
工事に対して思う所がありお話ししたものです。
今現在役所工事の指針は随分と改善されて、働き方改革の先端を行っているようです。
建築業界で働く労働者は年々減ってきて、高齢化と共に将来が危ぶまれてもいます。
魅力のある業界にするために、役所が先頭に立っている現実は隔世の感があります。
それでもまだ他産業からすると遅れている事が多くあり、引き続き改革の手を打つ
べきだと思いますね。
しかし言うは易し行うは難しの典型のような産業です。
受注産業であること、標準化しにくい作業、サービス産業の性格があること等は、
これからも変りようのないことであります。
家内工業でやってきた親父(親しみと尊敬からの呼称)は自分の仕事を誇りに思い、
一生懸命に家族を養ってきましたが、息子には後を継がせない選択をすることが
多いのです。
実例で言いますと建具屋さんは、立派な木工旋盤やプレス機、丸鋸の設備があったの
ですが、息子は地方公務員となり廃業してしまったのです。
またクレーン設備と溶接機械、広い原寸場を持ちながら、やはり子供には見向きも
されず休業しているところもあります。
若い人に見向きもされない職場は、どうすれば魅力あるものになるのか、それは永遠の
課題でもあるのかもしれませんね。
建築業で働く人は大抵の人が、大なり小なり自己犠牲を払いながら日常の仕事に励んで
います。それは使命感であったり、自分が選んだ仕事だから疎かに出来ない。
またお客様がいるのでそのためにも頑張る。
まったく頭の下がる思いの人達ばかりです。
建築が好きだから、やりがいがあるからということだけで、一個人に負わせるには
限界があります。少しずつ少しづつ、長い年月をかけて良くなってきたように、
差を縮めていきたいですね。